コラム『ゼロ・ウェイスト日記』
トイレなきマンション
2011/05/14 NPO法人理事長 広瀬立成
2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード9の東北関東巨大地震が発生しました。被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興を祈念しております。
原子力発電所(原発)では、ウランを燃やして熱エネルギーを発生しますが,それはタービンを回し電気エネルギーに変えられます。これまで私たちは、原発から得られる電力によって便利な生活を追い求め、原発で排出されるごみには背を向けてきました。福島県の原発の重大な事故に直面し、私たちは,原発からのごみ「放射能ごみ」に真摯に向き合い、原発の安全性を考えてみたいと思います。
原子炉の中でウランが燃えると、燃焼の100万倍という莫大な熱が発生します。このことは、原発の利点でもありますが、その制御を誤ると重大な事故をもたらすという欠点にもなります。福島原発の事故では、この欠点が露呈しました。
現在日本は、54基の原子炉を保有しています。日本の原子炉の数は、アメリカ(103基)、フランス(59基)に次いで世界第3位。一方、日本は世界でも突出した地震頻発国であり、それだけに、原発事故に遭遇する危険性は原発保有国のなかでも桁違いに大きいのです。ちなみに、1970年から30年間におこったマグニチュード5以上の地震は、日本が3954回、アメリカ322回、フランス2回です。福島原発事故は、それがいかに悲惨なものかを、白日の下にさらけ出しました。
これまでのごみとは全く性質のちがったやっかいな放射能のごみ。これこそまさしく、数万年という長いあいだ放射線を出しつづける「高レベル放射性廃棄物」です。それは、原子爆弾から発生する「死の灰」と同じ作用をもつ危険なもので、大量の放射線は、白血病、ガン,白内障,不妊などを引き起こし、死をもたらすこともあります。
日本では,放射能ごみは、ガラスに混ぜて固化したものを、金属の容器に入れて300メートルの地中に埋めることになっています。けれども、地震国日本には、それを何万年にもわたって、放射能汚染のない安全な状態に保存できるという保証はありません。今では、この危険きわまりない放射能ごみを引き受ける市町村は皆無です。とは言え、放射能ごみは決して消えることはなく、いつかどこかに隔離しなければなりません。こうして私たちは、子孫に大きな負の遺産を残すことになったのです。原発が「トイレなきマンション」といわれる理由がここにあります。
私たちが毎日出すごみも放射能ごみも、物やエネルギーを大量に消費する「むだ社会」の産物です。私たちのNPO法人 町田発・ゼロ・ウェイストの会は、すべてのゴミを削減しつつ、「むだ社会」から「もったいない社会(ゼロ・ウェイスト社会)」への改革を進めるべく努力しています。豊かで安心・安全の社会を子孫に残すため、ぜひ、NPO法人「町田発・ゼロ・ウェイストの会」の活動をご支援ください。
