コラム『ごみは異なもの味なもの』

CB1 - こんなむだ使いは許されない

2009/10/13  NPO法人理事長 広瀬立成


 これまで物理学の視点から、ごみをふくむ環境問題の基礎を考えてきた。どうも、物理の話を長々としていると嫌われそうな気がする。ここで、コーヒーブレイクということで、ごみに関連する身近な話題をいくつか取り上げることにしよう。


 日本人は、老いも若きも、1年間に約2万円のむだ使いをしている!

 日本人は、だれもが、毎日莫大なごみを出し、燃やしたり埋め立てたりするために、年間2万円の税金を払っている。3人家族なら6万円になるが、これだけあれば、楽しい家族旅行もできそうだ。まわりの人に聞いてみると、自分が2万円のむだ使いをしていることに気がついていない人が多い。日本の人口は約1億人だから、日本人は、意識することもなく、毎年約2兆円を燃やしていることになる。

 「ごみを燃やすことは、まわりがきれいになるから大切なこと」という思い違いをしている人が多いようだ。「物質不滅の法則」によれば、ごみは燃やしても、その総量は変わらない。つまり、ごみを燃やすことは単にごみを目の前から持ち去って、別の場所に移しているにすぎないのだ。ごみは、温暖化ガスとなって地表に漂い、人類を苦しめている。

 そればかりではない。

 日本国民は、ごみを燃やして空気を汚染し、最後に残った有害物質を埋め立てて土壌や水を汚染しているのだ。何てことはない。2兆円もの大金を使って、国土を汚染させ、子供や孫たちに大きなつけを残している。これは、単なるむだ使いを通り越して、犯罪というべきではないだろうか。

 ここで、発想を180度転換させ、「2兆円があったら何ができるか」と問いかけてみよう。

 第一に、環境の汚染に歯止めかけることができる。2兆円を生みだすためには、ごみの焼却を止めなければならないからだ。このことは、2020年までに温暖化ガスを25%削減するという鳩山新政権の意欲的な目標の達成にも大きく貢献するだろう。

 第二に、2兆円があれば------たとえ、2兆円の何割かであっても-----日本人の生活や社会を変えて、今日問題になっているさまざまな困難、たとえば高齢者福祉、児童手当、地方の活性化、貧困の解消などを一気に解決することができる。筆者の希望は、2兆円の1%を使って「学生・田んぼたがやし隊」を組織して、日本の休耕田をすべて開拓することだ(筆者らはすでにこの動きをはじめている)。

 第三は、これが大きな効果だが、このような取り組みが、人々の心底に「もったいない精神」を育み明るい未来を手にできることだ。それは、持続ある地球を取りもどす原動力になるだろう。